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障害がある方の遺言書作成

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遺言書は要式行為とされ、民法の定める方式に合致している必要があります。

これは、遺言者の真意の確保と紛争の予防を図ることを目的としています。
遺言書が効力を発するのは遺言者が亡くなった後のことです。遺言者に真意を確認することはできませんので、遺言者の意思を正確に表現することが求められます。

遺言書を作成するには遺言能力があることが必要です。
遺言能力とは、『遺言をするために必要な行為の結果を弁識、判断しうるに足る意思能力』のことを指します※₁。
従って、成年被後見人であっても、遺言の時に本心に復していることを医師2名以上が確認すれば、遺言書を作成することができます※₂。
また、未成年であっても、15歳に達した者は遺言書を作成することができます※₃。

自筆証書遺言の場合、遺言書の本文及び氏名は自筆する必要があります。そのため、心身の状態等により自筆できない方は、自筆証書遺言を作成することはできません。
点字は通常点字機を用いるため、自筆として扱われず、点字による自筆証書遺言は法的要件を欠くこととなります。
自筆であることが求められるのは、遺言書の偽造・改変を防ぐためです。

視覚に障害があり自筆が難しい場合でも、公証人が遺言内容を口述し、その内容を本人と証人が認めれば、遺言者の署名に代えて公証人が自筆できない旨を記載することで公正証書遺言を作成することができます。

聴覚に障害があっても、筆談又は手話通訳により遺言内容を確認できれば、公正証書遺言を作成することができます。

発声・発語障害のある方についても、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述又は自書することにより、遺言者の口授に代えることができます。署名は、自筆できれば問題ありませんし、自筆が難しくても、公証人が自筆できない旨を記載することで公正証書遺言を作成することができます。

認知機能障害又は精神・発達障害のある方は、遺言能力の判断が必要となります。

現代社会に即した遺言書のあり方や方式について、法務省の法制審議会で検討が進められています。
2025年11月に意見公募手続の結果が公表され、民法(遺言関係)等の改正要綱案が公表されています。

Reference
※₁:民法第963条,東京地方裁判所判決
※₂:民法第973条
※₃:民法第961条


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