出資持分
医療法人の出資持分とは、持分あり医療法人※₁に出資した者が、当該法人の資産に対し、出資額に応じて有する財産権のことを言います。
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医療法人は、医療法第54条の規定により、剰余金の配当が禁止されています。
そのため、開設する医療機関の経営が順調に進んだ場合、剰余金が積み増され、財産評価額が増加していることがあります。

出資持分払戻請求権
医療法人の出資持分払戻請求権とは、定款の規定により、社員資格を喪失した者が、医療法人に対し、出資持分に応じた財産の払戻しを請求できる権利のことです。
この権利は『請求できる』権利です。
『請求権を行使するかしないか』は、社員資格を喪失した者が決めることになります。
出資持分は、請求権の行使が表明されて払戻請求権に転嫁します。
つまり、社員資格を喪失した場合に、自動的に発生するものではありません。
社員資格を喪失する理由の1つに社員の「死亡」があります※₂。
仮に、持分を有する社員であった医療法人の理事長である医師が死亡し、生前に請求することを表明していなかった場合、又は遺言書で請求することを表明していなかった場合、相続人が「当然に請求できる」ということにはなりません。
社員資格を喪失したのは、亡くなった理事長であって相続人ではないからです。被相続人(この場合は理事長である医師)が行使することを表明していない以上、相続人は『出資持分』という財産権を相続することになります。
出資持分を相続した場合は相続税の申告が必要となります※₃。
払戻請求権は不可分の権利ですので、相続人が持分払戻請求権を行使する場合、相続人全員の同意を得ておくと後々のトラブルを避けることができます。
Reference
※₁:平成19年3月以前に設立された医療法人で、定款に下記の規程を持つ医療法人を言います。
経過措置型医療法人と言うこともあります。
・解散時の残余財産の帰属先を払込済出資額に応じて分配する
・社員資格を喪失した者は出資額に応じて払戻請求できる
※₂:厚生労働省や東京都のモデル定款には規程があります。
※₃:財産評価基本通達179
