相続の手続は、大きく分けて
- 遺言書調査
- 相続人調査
- 相続財産調査
から始まります。
今回のテーマの『法定相続情報証明制度』は②に関連するものとなります。
相続人調査
相続人調査は、被相続人(亡くなった方、以後「故人」と記載させていただきます)の出生から死亡まで戸籍を集めることから始まります。
よく、「戸籍謄本」という言葉を耳にされると思います。一方で「戸籍全部事項証明書」という言葉は耳慣れないかもしれません。これらはどちらも同じものを指しています。
現在の正式名称は「戸籍全部事項証明書」です。この名称になったのは平成6(1994)年の法改正以降です。法改正以前は紙媒体で戸籍が管理されていたので、交付されるものは「戸籍謄本」と呼ばれていました。
より正確には、コンピューター管理されているものが「戸籍全部事項証明書」で、コンピューター管理されていないものは「戸籍謄本」です。一般的には「戸籍謄本」の方が通りが良いですし、金融機関の書類等でも「戸籍謄本」と記載されているものもあります。
故人の戸籍については、出生から死亡までの全情報を集めます。
これは、予想外の相続人がいる可能性を排除するために必要です。レアケースとお感じになるかもしれませんが、不真正相続人(表見相続人又は詐称相続人)が現れて相続権を主張することも考えられます。
戸籍を請求するには、本籍地と筆頭者を指定する必要があります。本籍地・筆頭者が不明な時は、対象者の住民票(又は除票)を請求して確認します。
「(現)戸籍」はすぐ交付されますが、コンピューター化以前の戸籍(改製原戸籍)は請求から交付まで時間が必要な場合が多いです。役所の窓口の方が交付までの所要時間や効率の良い請求方法など教えてくださいますので、先ず電話してみると良いでしょう。
法定相続情報一覧図
故人の全戸籍、相続人の全戸籍を集めると、それなりの枚数の戸籍が集まります。以前は各手続、提出先ごとに揃えて”戸籍の束”を提出していましたが、相続人数によっては交付手数料だけでまとまった金額になります。手間暇やコストを考えた場合に検討いただきたい書類が、法定相続情報証明制度の「法定相続情報一覧図」です。
やっとメインテーマにたどり着きましたね。。。
この書類は、戸籍の束に置き換えることができます。つまり、各窓口・手続毎に揃えて提出していた”戸籍の束”を、一覧図のみで証明することができます。作成費用はかかりません。

『法定相続情報証明制度』とは、簡単に紹介してしまうと、相続人を法務局が確認し一覧図を作ってもらえる制度です。
詳細はコチラ(法務局HP)
厳密には、相続人確定は勿論ですが、不動産の相続登記を促進する(若しくはサポートする)ことにも活用されます。令和6年4月から不動産の相続登記が義務化(相続の時から3年以内)されましたので、法務局にもメリットがあります。
この制度は、相続財産に不動産がなくても活用することができます。
法務局の繁忙で作成に要する日数は変動しますが、通常2週間程で作成していただけることが多いようです。
交付までに少し時間はかかりますが、この一覧図があると不動産登記は勿論、故人の年金手続や銀行・証券会社の相続手続でも使うことができます。前述の通り法務局が相続人情報の確認を行っているので、提出先にとっても”戸籍の束”の確認をしなくても良くなり負担が軽減されます。
