制度趣旨
認定医療法人制度とは、持分の定めのある医療法人社団(以下『持分あり医療法人』と記載します)が、持分の定めのない医療法人社団(以下『持分なし医療法人』と記載します)に移行しやすくするために定められた制度です。
❖制度期間:~令和8年12月31日
医療法人制度は、「経営主体が、医業の非営利性を損なうことなく法人格を取得することにより、資金の集積を容易にするとともに、医療機関の経営に永続性を付与し、医療機関の経営困難を緩和すること※₂」により地域医療の安定を確保することを目的とした制度です。
平成19年3月までに設立された医療法人は、持分あり医療法人とすることができ、法人の財産を出資者に対して持分割合に応じて分配することが可能です(剰余金の配当は禁止)。
このことが、医療法人の非営利性の確保に抵触するとの見解や、出資者からの払戻請求及び相続税支払いのための持分払戻請求による資金流出に繋がり、経営の不安定化が問題となりました。

そこで、厚生労働省に持分なし医療法人への移行計画を提出し、認定を受けることで、以下の場合に納税を猶予・免除する制度が導入されました。
🔸出資者の持分を相続により取得した際の相続税
🔸出資者が持分を放棄した際の他の出資者に課されるみなし贈与税
🔸出資者全員が持分放棄した際の医療法人に課されるみなし贈与税
認定を受けるには?
認定医療法人として移行計画の認定を受けるための要件は次の通りです。
【認定要件※₃】
- 社員総会の議決があること
- 移行計画が有効かつ適切であること
- 移行計画期間が5年以内であること
- 法人の運営が適正であること
【運営に関する要件※₄】
- 法人関係者に対し特別の利益を与えないこと
- 役員に対する報酬等が不当に高額にならないよう支給基準を定めていること
- 株式会社等に対し特別の利益を与えないこと
- 遊休財産額は事業にかかる費用の額を超えないこと
- 法令に反する事実、帳簿書類隠蔽等の事実その他公益に反する事実がないこと
【事業状況※₅】
- 社会保険診療等に係る収入金額が全収入金額の80%を超えること
- 自費患者に対し請求する金額が社会保険診療報酬と同一の基準によること
- 医業収入が医業費用の150%以内であること
❖役員の親族要件は認定医療法人の要件になっていません
認定医療法人制度については、厚生労働省がYouTubeに動画を掲載しています。
Reference
※₁:医療法施行規則附則第56条~60条
※₂:昭和25年8月2日厚生省発第98号厚生事務次官通知
※₃:平成18年改正法附則第10条の3第4項第1~3号
※₄:医療法施行規則附則第57条の2
※₅:平成18年改正法附則第10条の3第4項第4号